自分勝手じゃないかと押しかける
自分が自分勝手だと思うし、
中枢を担う歌手の末端の曲を愛しても
その有名な歌手の歌には変わりないし、
猫を否定する理由だって
犬を否定する理由でもあるし、
彼女の名前と同じあの子は
たいして魅力を感じるわけもなく、
日が落ちる頃の切ない夕日は
明日の日の出にどうせ顔を出す
そんなことに気がついた時には言葉は
脳に既に並べられてしまう
自分勝手じゃないかと押しかける
自分が自分勝手だと思うし、
中枢を担う歌手の末端の曲を愛しても
その有名な歌手の歌には変わりないし、
猫を否定する理由だって
犬を否定する理由でもあるし、
彼女の名前と同じあの子は
たいして魅力を感じるわけもなく、
日が落ちる頃の切ない夕日は
明日の日の出にどうせ顔を出す
そんなことに気がついた時には言葉は
脳に既に並べられてしまう
甘えた君の声は生々しく
デジタルの切れ味を研いた
親戚の忘年会は鬱々しく
子孫の自慢を鼻にかける大人
あの子の振り向きは颯爽と
映像の末端へ逃げ込む
紡錘車の繰り方を口走り
夢の中でアフロの君とキスをした
見た事のある窓辺の部屋にいて
全てを曝け出しあった
細い目をした君の瞳孔は広く
私はその中に飛び込んだ
沈み込む漆黒の深さは足から遠く
片仮名表記の寂しさを促す
ささくれの殻をとり愛すべき花になる
苦しみを露呈しても私の心の足しにはならず、
その日の晩は澱んだ心を嗜む。
そして、いつの日か囁いた知らない人の信念を
準えるとそれは、私の頭で踊り狂ったんだ。
その中では不景気な道端のように秩序が崩壊し、
あらゆる苦悩が肥大化する。
嗚呼、逃避行 逃避行 逃避行………!
君の悠然とした微笑みは私の呪詛と化す!
五月雨の眩しさよ、私の脳を洗い剥いでくれ!
私の心は若気の至りで踊らされ、
満たされた後の喪失を怖がる。
自責のねじれがあの人に刺さり、
鏃の先は私の喉をめがける。
美しい恋は幻想に閉じこめ、
熱を帯びた体を撫で合う。
空虚な御暇は孤独の流れを促し、
心を苦い壺の中へと蓋をする。
霊園を横切る自転車の少年は、
知らない瞳を砕いた煌めきを抱く。