2024-05-01 渦 さらさらさらさらさら……………… 頭上で鳴り僕のこめかみの入口を弾き、 体育館の隅で立ちすくんだ背の高い君の溜息。 向かい合った君の虹彩 揺れる糸の端のようで、 それは僕には到底掴み取れない幽霊だった。 春の鬱屈な風は新しい僕たちを嘲笑い、 落下した花弁を巻いて消え去る。 その散開した群れの儚さは弱い僕らを映し出した。